就活は青年海外協力隊!?日本人教師がブータンで体育を作ったストーリー!(太田幸輔さん)

ブータンに青年海外協力隊の体育の隊員として行っていた太田幸輔さん

 

■今回、取材させていただいた留学Person

 

海外留学体験談インタビューマガジン留学Person。

今回取材させていただいたのは、現在、タイの日本人学校で、小学6年生の担任として教鞭を取られている太田幸輔さん(おおたこうすけ、以下、太田さん)です。

太田さんは、2009年1月から2年間、青年海外協力隊の隊員としてブータンへ。

現地では体育教師として活動し、体育の授業がなかったブータンの学校で、ゼロから体育の授業作りを担当されていました。

実は、太田さんが協力隊に応募したのは大学4年生の時!つまり、就職活動は協力隊でした。

「大学を卒業してすぐに途上国で活動するのはどのようなものなのだろう?」

そのように感じる読者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回のインタビューでは、太田さんがブータン行きを決断をするまでのストーリーの他、

・協力隊に応募してから実際に行くまでのプロセス
・「幸せの国」と呼ばれるブータンはどのような場所なのか?

・途上国の教育の現場とは?

など、「青年海外協力隊に応募する前」から「活動を終えて帰国するまで」を余す事なく伺ってきました!

日本での社会人経験を経ずに、途上国に飛び出すのはどのような体験だったのでしょうか!?

 

■就活は青年海外協力隊?「自分で、ゼロから積み上げるような何かがしたい!

ブータンでの教え子たちとブータンの教え子たち。

 

–太田さん、本日はよろしくお願いします!

はい、よろしくお願いします!

 

–まず、太田さんはいつ、青年海外協力隊に行かれていたのですか?

ブータンに派遣されていたのは、2009年の1月から2011年1月までの2年間です。体育教師として、現地の学校の子どもたちに体育を教えていました。

 

–ちなみに、これはいくつの時ですか?

大学時代の太田さん。大学時代の太田さん。

 

派遣されたのは大学を卒業した翌年の1月でしたので、23歳の時でした。2008年3月に大学を卒業して、2009年1月からブータンに出発という流れです。

 

–つまり、就職せずにいきなり協力隊に!?

はい、そういう事になります。

協力隊に応募して選考を待っている時は、まだ体育学科の4年生で教員免許を取り終える少し前の時期でした。ですので、結果的に、「就活が青年海外協力隊」となりました。

 

–さらっと言いますが、普通は就活しますよね(汗)。なぜ、いきなり協力隊に?

ブータンでの1枚ブータンのお正月にピクニックに出かけた時。ブータンの言語『ゾンカ語』の先生と。

 

基本的には協力隊一本でした。

大学時代から、漠然と「自分で、ゼロから積み上げるような何かがしたいなぁ。」と思っていて。そんな時に協力隊の事を知ったんです。

もちろん人生の選択肢は様々だと思いますが、何をするにしても、自分の中では「教育」というものが軸としてあったので、「そこはぶらしたくない」とずっと思っていました。

あと、もともと旅が好きだったので、「途上国」というのも自分の中では大きなキーワードでありました。そんな感じでしたの「協力隊なら、その2つのキーワードが満たせるのでは!?」と思ったのが、進路の決め手になりました。

 

■きっかけは裏ワールドカップ?太田さんが、ブータンを希望した理由

ブータンのサッカーチームブータンのサッカーリーグに所属するチーム「ドゥルク・スター」。太田さんが首都でサッカーをしていた時に見ていた監督から電話でチームに誘われ参加する事になったそうです。

 

–なるほど、就職という「方法」ではなく自分の中の「キーワード」を軸に仕事を決められたのですね。ちなみになぜブータンに?太田さんが希望されたのですか?

 

はい、派遣先のブータンは自分で希望しました。

正直に言うと、アフリカも行きたかったなどもあったので、「ブータンでなきゃいけない!」というような国に対するこだわりはなかったです。

ただ、すごく前からブータンに興味があって。

 

–なぜブータンに興味を?

自分がまだ高校生だった2002年に日韓サッカーワールドカップの決勝戦があったんですけど、実は同じ日に、裏ワールドカップというのがあって。

その決勝戦が「ブータン対モントセラト」だったんです。

 

–裏ワールドカップ?

授業中にサッカーをしている様子クラス対抗のサッカーの試合をする子どもたち。審判は民族衣装を着て行なうそうです。

 

つまり、最下位決定戦です(笑)。

 

–なるほど、そんなのがあるのですね!

はい、高校の頃にそれでブータンに興味を持ち始めて「ブータンに行けるなら行ってみたいなぁ。」と思っていたので、希望しました。

 

–その辺は感覚なのですね。ちなみに、青年海外協力隊の倍率はどのくらいなのですか?

 

それは応募する職種によります。

例えば、農場でキノコを栽培したり、電気技師のような専門職は「倍率1倍」なんて事もありえると思うのですが、村落開発普及員(現、コミュニティ開発)のような、応募条件があまり厳しくないものは、10倍以上なんてものもあるようです。

僕は体育という職種だったのですが、当時は8倍だったらしいです。ただ、今はそんなに高くないみたいですよ。

 

–8倍もあるのに、就活しなかったのですね。。そもそも、この時大学四年生ですよね。大学を卒業していない段階でも応募できるのですか?

はい、大学を卒業していなかったのですが、卒業見込みでもOKでした。

もちろん倍率は高かったのですが、「大丈夫、絶対受かる!!」って信じこんでました(笑)。

 

→【次ページ2/4】派遣先はブータン、でも学ぶのは英語?

 

 
 
榎本 晋作
28歳の時にワーキングホリデーでイギリスに。ロンドンでは留学エージェントの立ち上げを経験。在英中に立ち上げた自身のブログは日本ブログ村PV(アクセス)ランキング1位。帰国後『イギリス・ワーホリ留学ガイドブック』を電子書籍にて出版し、Amazon海外留学対策ランキング1位を獲得。高3時点での英語の偏差値は32。(今でも苦手です。)