「これならイギリスで働ける!」ロンドンワーホリライフ(田村千菜美さん)
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■ロンドンのオリンピックの案内係!気になる英語バイトの実情、そして時給は?
–オリンピック関連のバイトとはどのような事をされていたのですか?
私がしていたのは、オリンピック会場の最寄り駅にあるショッピングモールで困った人を案内する係でした。そのバイトをオリンピック期間中の3週間行いました。
「ウェストフィールド」というショッピングモールだったのですが、そのモールの中で困った人の質問に答えていました。
–それは日本人向けに?
オリンピックの開会式が行われたクイーンエリザベスオリンピックパーク。オリンピック後の今でも、土日にはイベントが開催されています。
はい、一応、仕事としては「日本人向け」という事になっていました。ただ、実際に現場に行ってみると、日本人はそんなにいなかったので、日本人以外の人を相手にする事が多かったです。
–英語での対応は大丈夫でしたか?
はい。観光客から聞かれる事は、あまり難しい事はなかったので、英語力はそこまで問題にはなりませんでした。例えば「この会場どこ」とか「トイレはどこ?」とか。
どこに何があるかは、「地図を見せれば大丈夫」という事が多かったです。
–ちなみに時給ってどれくらいでしたか?
10ポンド紙幣。
はっきりとは覚えていないのですが、このバイトは時給10ポンド(約1,800円)でした。他にも色々とバイトをしたのですが、このバイトは、あまり忙しくない上に、時給も高めでしたので、結構おいしいバイトでした(笑)
でも、暇な分、「1日中ナンパをされ続ける」というハプニングがあったりしたんですけどね(笑)
※イギリスのバイトの最低賃金は、2016年1月現在21歳以上は時給6.7ポンド(約1,200円)、18〜20歳は5.13ポンド(約930円)。
–なんと(笑)
オリンピックの会場を観に行った時。
はい、ショッピングモールで1日中立ってるので、暇そうに見えたんですかね。イギリスでは日本人の女の子は結構人気あるので、それは声かけられますよね(笑)
–1つの場所に1人?
いや、2,3人で1つのエリアを担当しているのですが、距離的にパートナーと離れている時とか1人に見えるんです。
–なるほど、確かに!
■マレーシア人に寿司を習いながら、休憩時間には語学学校!
–次の仕事はお寿司屋?
はい、次は寿司バーで2ヶ月働きました。
–この仕事はどうやって見つけたのですか?
この仕事も、オリンピックの仕事を回してくれた派遣会社経由でした。
オリンピックの仕事が終わった後に、派遣会社に「私、大学生なので、専門性は無いんですけど、仕事を回してください!」とお願いすると、ちょうどその時に急募案件があって。
「明日から行ける?」と聞かれて「はい、行けます!」という流れで紹介していただきました。
–なるほど、どのような仕事内容だったのですか?
いえ、私はお寿司を作ってました。
–あっ、ホールではなかったのですね。
はい、ホールではなく、作る方でした。
日本食レストランの中で、3つの場所があって「サーブする人たち」「キッチンで日本食作る人たち」「お寿司を作る人たち」がそれぞれ専門でいたんですね。私たちは「お寿司を作る人たち」で、メンバーは日本人の大将とマレーシア人の男性、私という3人でした。
–マレーシア人もいたのですね。お寿司は普通に握れたのですか?
握れないですよ!
でも、私が作っていたのは巻き寿司でしたので、マレーシア人の同僚に習いながら作ってました(笑)
–なるほど、巻き寿司ならなんとかなりそうですね!
はい、でも、私はあまり器用な方ではないので、ご飯を均等に並べたり、海苔を裏巻にするのとか結構難しくて。。
一緒だったマレーシア人の同僚は「パッパッパッ」と簡単にこなしてしまうので、「私、日本人なのに出来ない。。」という屈辱感を味わいながら働いてました。。
–お寿司作れる日本人って、実はレアですもんね(笑)このバイトのいくらだったのですか?
ここはそんなに高くなく、8ポンド(約1400円)より少し低いくらいでした。
ただ、このバイトでよかったのは、語学学校に通いながらできた事でした。「昼にランチで働いて、中休みに語学学校に行って、授業が終わったらディナーに戻る。」という生活です。
–えっ!!語学学校に通っていたのですか!?
はい。お昼休みって何もやる事なくて暇じゃないですか。私はそういうのが苦手で。。それで、近くの語学学校の授業を入れてたんです。
–最初の留学で語学学校があまり楽しくなかったとおっしゃってたのに、ワーホリでも学校には通ってたのですね。
通っていた学校の近くにあるロンドンの有名ショッピング街「オックスフォードストリート」。
はい、でも、この時に通った学校は楽しかったです。多分、その理由はこの学校は「スピーキング中心」の学校だったからだと思います。
–スピーキング中心!語学学校にも違いがあるのですね!
はい、学校ごとの違いは感じました。
人それぞれだと思うのですが、「私は、文法のように既に知っている事を習うのがあまり好きではなかった」のだと思います。
–確かに、新しい事を学べた方が楽しそうですよね!
ロンドンの語学学校のクラスメイトたち(真ん中に写っているのが先生)。
はい、会話中心の授業だと色々なフレーズをたくさん覚えられるので、「これを明日使ってみよう!」「帰ったら大家さんにこのフレーズを使って話してみよう!」というモチベーションになってすごくおもしろかったです。
–あっ、それ、楽しそうですね!
はい!普通に生活していると、「その範囲で使う単語」しか使えないですけど、学校にいくと「新しい言い回しを習ったり」とか、他の人が喋っているのを聞いて、「そういう言い方もあるんだぁ」とか。そういうのが私は、すごく面白かったです。
■海外では主張する事が大事!受付の仕事をゲットした方法とは?
ロンドンの都心部。
–寿司屋のバイトはどれくらい続けられたのですか?
実はここは大将が「女の子はちょっと扱いづらい」という方針で2ヶ月で辞める事になっちゃったんです。。。
–なんと。。
ですので、それで派遣会社に「話が違うじゃないですか、ひどいですよ!」という感じで訴えたんです。そしたら、憐(あわ)れんでくれたのか「じゃ、受付の仕事する?」という流れで、運良くその会社の受付の仕事をする事になりました。
–なるほど、「とりあえず、言ってみる!」と姿勢で主張するの大事ですね。
ローマのトレビの泉にて。
はい、本当にそう思います。
実は向こうでインフルエンザにかかり、語学学校に出席できない状態になった事があるんですけど、「それでも欠席扱いだから、期間の延長はないです。」とスタッフの方に言われた事があったんです。
それで「じゃ、インフルエンザでも出席しますよ!いいんですか、他の生徒にうつっても!」と言ったら1週間延長してもらえる事になったりしました。本当に「交渉する事」が大事だと思います!
–「これが世界かぁ。」と感じさせられるお話ですね。受付の仕事はどのような事をしたのですか?
基本的に「オフィスに来た人の対応」や、「パスポートのコピー取る」などの事務作業などがメインでした。
–イメージとしては、受付のお姉さん?
はい、そんな感じです(笑)
–仕事は英語?日本語?
仕事は、英語半分、日本語半分という感じでした。
社長が日本人な日系企業でしたが、会社に来る人の8割がブラジル人やスペイン人のような「外国人の仕事が欲しい人」でしたので、対応は基本的に英語でした。
その他の「日本人対応」や「日本語でやらなきゃいけない仕事」もあったのでそれは日本語で行ってました。スタッフも現地の外国人と日本人の半分ずつくらいでしたので、本当に「どっちも」という環境です。
–仕事の終わりは定時でしたか?
ロンドンブリッジ。冬のロンドンは夜の16時頃には暗くなるそうです。
はい、定時というか、私の場合は10時から16時と時間が決まっていたのでそれ以外の時間は自由でしたよ。
夏が過ぎると、早く暗くなるので、仕事が終わると、家に帰って、イギリス人の大家さんと一緒にDVDを観たりするのが楽しかったです。
–あっ、イギリス人の大家さんの家に住んでいたのですね。
はい。住人は入れ替わり立ち替わりではあるのですが、私の時は日本人の女子4人と、イギリスの大家さん1人の5人で住んでいました。
でも、他の日本人が仕事とかで帰ってくるのが遅かったのでよく大家さんと2人でしゃべっている事が多かったです。
■大家さんとの出会いが人生のターニングポイントに!ロンドンで魅力的だったのは「人」でした!
シェアハウス(シェアフラット)の住人たちと。真ん中の白髪の方が大家さん。
–大家さんとはどのような事をしゃべってたのですか?
特に特別な事ではなくて、本当に日常会話でした。「今日は何した」「仕事の事とか」とかそういう普通の会話です(笑)
–国籍とか関係なくそういう風に会話できるのって素敵ですね。
はい、すごく楽しかったです。ただ、この出会いが私の人生のターニングポイントになりました。この大家さんに私が仕事の悩みを相談していたらある本を薦めてくれたんです。それが今、仕事にしているコーチングの本でした。
–どんな悩みでコーチングの本を?
薦められた本『The Coaching Manual』。手前はミュージカル「マチルダ」のチケット。
イギリスで生活していく中で、日々「私は、その人の個性とか、人生とかをもっと大事にしたいし、応援できるような事をやりたいなぁ。」と感じていたんです。
「どうすれば、それが実現できるかなぁ。」と相談していた時に、大家さんから「それならコーチングを学べばいいじゃん!」と本を薦めてもらいました。専門的な英語の本でしたので、内容は半分くらいしかわからなかったのですが、「これは面白そうだぞ!」「選択肢としてありだな!」と感じたんです。
–それで、今、コーチングの仕事を?
はい、「もっともっと人を応援する仕事をしていきたい!」と思い、これからはコーチングの仕事でメインでいきたいと思い、今は本格的に活動をし始めました。
私のコーチングのモットーとして「自分で自分をゴキゲンにする」というものがあるのですが、もっと多くの人にそういう風になってほしいなぁと思いまして。
–「自分で自分を楽しませる事ができる」という感じですかね?
はい、まさにそれです!私の感覚なのですが、ロンドンの人はそういう人が多かったんです!
就活前の時期でしたので、目標の中に「今後のキャリアを見つける」というのもありましたので、それも叶えられてよかったと思っています。
–なるほど、素敵ですね!思い切ってイギリスに行ったからこその出会いだったり、出来事が千菜美さんの生き方に影響しているのですね。最後にロンドンの魅力を教えてください!
旅行で行ったでのバルセロナの写真。向って左側の女性は、パリのホテルで出会った方とお友達だったそうです。(「パリの奇跡!」と紹介してくれました。)
やはり、私はロンドンで出会った人が魅力的でした。私がロンドンで出会った人は、いくつになっても夢を追いかけたり、新しい事を挑戦していたんですよね。
もちろん、日本にもいると思うのですが、ロンドンに行く前は「(大学を卒業して)大人になったらつまらないんだろうなぁ。」と思い込んでたんです。
でも、向こうでは、60歳の女性が子育てを終えてロンドンに語学を学びに来ていたり、大家さんにしても50歳なのに結婚もしていなくて「俺はモテるから大丈夫、子どもも欲しいなぁ。」とか謎の謎の自信があったりして自由なんですよ。
本当に「大人になったらつまらないかも」と思っていたのですが「自分も好きなように生きていいんだなぁ。」と感じさせてくれました。
ですので、「自分も自分の好きな自分で生きてあげよう!」と私も思えるようになりました!
–おぉ、ロンドンでの「出会い」が千菜美さんの人生に選択肢を増やしてくれたのですね!現地に行かないと体験できない事はすごく素敵だと思います!千菜美さん、本日はありがとうございました!これからも自分ゴキゲンプロジェクト期待してますね!
