「自由で活き活きしたポートランドのまちに魅了されました」(橋本安奈さん)
|ポートランド州立大学に留学されていた橋本安奈さん
■今回、取材させていただいた留学Person
留学体験談インタビューマガジン留学Person。
今回、取材させていただいた留学Personはアメリカのポートランド州立大学に「ロハスプログラム」の留学生として10ヶ月留学された橋本安奈(はしもとあんな)さん(以下、安奈さん)です。大学4年生の後期から1年間の休学をして、「英語」「環境学(地理とグローバルヘルス)に加え「都市計画」と「音楽(ジャズ)」を学ばれた安奈さん。ポートランド生活の後半では都市計画について学ぶためのインターンも経験されました。
ポートランドの地を踏む前までの価値観には戻れないほど、“自由”で“やりたいことをやる”というポートランドに根付いている文化に影響された安奈さん。留学中の学校生活をはじめジャズバンドの活動、街の人やモノに一つひとつ触れていくにつれ刺激を受けた安奈さんのポートランドでの様子をご紹介します。
■語学に音楽に都市計画、自分のテーマを追究。
–安奈さん、今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
–安奈さんは最近ポートランドから帰ってきたばかりですよね?
はい。昨年大学4年生の後期から一年間休学して、2014年9月~2015年7月の10ヶ月間ポートランドに留学をしていました。
–どうして留学をしようと思ったのですか?
大きく2つの理由があります。一つ目は語学です。友達と大学3年生の時にヨーロッパ旅行に行ったのですが一緒に行った友達は、完璧なブリティッシュイングリッシュをペラペラ話せて、旅行中に訪れた現地の方と楽しそうに会話していました。私は全然話せなかったので「英語が話せたら、旅行ももっと楽しくなるんだろうな」と思いました。
–旅に行って友達が現地の方とコミュニケーションがとれているのを見たら悔しいというか、自分も話したいですよね。それ、すごいわかります。そして、理由はもう一つあったのですよね?
大学3年生の後期から約一年、出版社でアルバイトをしていた時、活気のある地方都市を取材している編集部を間近で見たり、その関係者の方々がアルバイト先である編集部へ度々来られているのを見て「どうしてあの方はまちを盛り上げることができているのだろう?」「どうやったら人が集まり、活気が出てまちがうまく循環するのだろう?」と考えるようになりました。
–アルバイト先で自分の興味分野を見つけ、それを追究しようとしたのですね。
漠然と海外に留学はしたいと思っていたことに加え、「まちの環境づくり」を考えるようになって、「全米で住みやすい街」と言われるポートランドのことを知って、ここに行きたい!と強く思いました。
ポートランドにはフードカート(屋台)が並び、多国籍の料理が楽しめる。休日の楽しみの一つ。
–そんなにポートランドに行きたかったのですね!
はい、行ってみてもっと実感しましたが「住みやすさ」に興味があったんです。それに、ビール、コーヒー、ZINE、レタープレス、自転車など私が好きなもの全部があったから楽しみで仕方がなかったです。
■最初の授業がオーディション?!
–そんなに安奈さんが好きな街なんですね。ではそのポートランドのまちの魅力は後ほどお聞かせいただくとして、ポートランドでは何を学ばれていたのですか?
私が通う日本の大学が「ポートランド州立大学」と提携していて、『ロハスプログラム(LOHAS:Life Style Of Health and Sustainability~健康と環境、持続 可能な社会生活を心がける生活スタイル)』を受講する留学でした。
「英語」、コア科目(大きくいうと環境学で「地理」と「グローバルヘルス」)を学び、私はそれに付け加えて「都市計画」そして「音楽(ジャズ)」の授業も取っていました。
–どの授業も内容が濃い感じがしますね。授業科目というより興味のある分野についてを学ばれたのですね。どんな風に授業に挑んだのですか?
英語は週に3回、2時間ずつ授業がありましたがその他は現地の学生に混じって興味のある分野について学んでいました。特に力を入れた都市計画「Community Built and Environment」という授業では、ポートランドにあるひとつの地区をとことん考察しました。グループで何度もその地区に通い、その地区がどのような時間に、どのような人に、どのような用途で使われているかを写真に納め記録し、それを踏まえてソフト面・ハード面を含め、どのようなファシリティがあれば、その地区がより有効に市民に使われるようになるか考えました。学期末には個人プレゼンもあり、中々大変でした。全体的にアメリカの授業は、日本より発言する機会が多かったと思います。
–それに音楽も?音楽は好きなジャンルや楽器があったのですか?
はい、日本の大学生活でジャズ研究会に入っていたので、日本からトランペットを持って行っていました。
日本から持ってきたトランペット。路面でジャズ仲間と演奏をしたことも。
–自分の趣味を留学先にも持っていったのですね!いいですね。
そうなんです、そして音楽の授業はジャズの「Improvisation(即興演奏)」の授業をとっていたのですが、そこでびっくりしたことがありました。
–どんなことにびっくりしたのですか?
一番最初の授業の時、「今日はオーディションあるから、自分の楽器を持ってきてください」と先生からメールが届きました。早速授業に行くと、次々に名前が呼ばれて、「はい、次の人演奏してみて」と言われて即興で演奏を披露しなければいけなくて。「え!何を披露しよう、考える間もないな、とにかくやるしかない!」と、、、とてもびっくりしました。
–最初から度胸がつきそうですね。現地の学生にまじってうまくやっていけるか、不安ではなかったですか?
そのジャズの授業でのオーディションの時に、演奏をした後、先生がクラスの中でグループ分けをしたんです。そこでいきなり友達ができましたし、音楽を通じて授業が終わってからもジャズ仲間と集まって練習をするようになっていきました。
–いいスタートを切れたのですね。
ジャズ科の生徒がとっている授業のようなサークルがあって、それにも週に3回参加していました。Big Bandです。
留学生活でたくさん現地の友達と一緒に遊ぶようになったきっかけは音楽。
–ジャズですか!現地で披露することもあったのですか?
大学のホールや地元の高校に行って演奏をするなど、定期的に演奏していました。
–授業だけでなく、趣味も活かして、学校内で勉強をするだけではなく、校外での活動もアクティブにされ、充実していたのですね。
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